「そう言えばおまえ、まぁだ蜂谷のこと追っかけてんのか?」 食べ終わった弁当を片付けながら、慶太が思い出したように訊いてきた。 「まぁな。なんたって本気だからな、俺は」 「つーかさ、蜂谷は、ぜってーおまえには落ちねぇぞ」 自信たっぷりに言う慶太に、俺もまた同じように言葉を返す。 「いや、絶対に落としてみせる」 「無理だってー」 楽しそうに言いながら、慶太はバッグから漫画の月刊誌を取り出すと、食後の読書を始めた。