顔にひとつでもニキビができると、すぐに薬を塗った。

スポーツをしているとはいえ、カラダに余分な脂肪がつかないよう食生活にも細心の注意を払った。



少しクセのある髪の毛も、毎朝、寝癖をきちんと直していたし。

こまめに美容室に行って(決して“床屋”ではない)、ヘアスタイルも常に流行のものにしてもらった。



いつ、どこで、カヤと再会するか分からない。

うっかり手を抜いて、出会った瞬間に幻滅されてしまったら元も子もない。




そうやって努力していくと同時に。

気づいたら女子たちに囲まれ、慶太の言う“ハーレム”の主になっていた、というわけだ。