ガタッ!


「痛っ…ったぁ…」


まだ完全に机から出ていないのにもかかわらず、急いで立ち上がったからなのか、腰に机が思いっ切り当たってしまった。


本当……今日はツイてないな。


ぶつけた腰をおばあちゃんみたいにさすっていると、


音に気付いたらしい内田先生がベッドから降り、こっちに向かって来た。


ここで見つかったらマズイと、あたしの本能が叫ぶ。


慌ててあたしは元いた机の下に潜り込んだ。


それと同時に、タイミング良く保健室のドアを開けて首だけだした内田先生が、「おーい、誰かいんのかー」と、軽く呼びかける。


はぁ……内田先生。あなたはここまで図太かったんですね。


普通ならば隠れるものなのに、自ら出て来た先生を見てあたしは『絶対この人はとっさに嘘をつけるタイプだな』と思ってしまった。