あたしは、目の前に広がる光景に目を疑った。
(『……会長……?』)
そう。こちらも真面目かつ誠実な生徒会長の稲崎由香(イナザキ ユカ)先輩だった。
生徒会副会長の葵は知っていた。
稲崎先輩は内田先生の事が、大嫌いなのだと。
生徒会の度に、あたしに内田先生の愚痴を嘆いていたのに。
どうして……?
あたしは目の前の出来事を信じられずにいた。
いや、信じようとしても脳がそれを拒否するのだ。
真面目で誠実な二人がこうして昼休みに落ち合ってこんなことをしていたなんて……。
あたしがショックでその場から逃げようとした……その時。