「10分過ぎてるー!?」


約束の時間を10分も過ぎてしまっていた。


それでもまだ隣で浜本先生の良い所を並べてる咲乃に、「あたし行くよ!」と声を掛けると、「いってらっしゃ〜い」と軽い返事が返ってきた。


咲乃はただ単に、浜本先生の良い所を言いたかっただけだったんだ……。


だったらあたしじゃなくて、他の人に言ってよ!


そんな咲乃に少し怒りを感じながら、裏校舎にある保健室へと向かった。


やだなぁ……あたし浜本先生苦手なんだよなぁ……。


いつも何考えてるか分かんないような表情してるし……。


あーあ、本当最悪だよ……咲乃の奴……後で何してやろうかな……!


そんな恐ろしい事を考えながら、保健室のドアから中を覗くと、あたしが求めているものとは全くといっていい程掛け離れた声が聞こえた。