そこには、きちんと制服を着こなした会長と、内田先生が立っていた。


「本当にありがとうございました、先生」


会長は内田先生に深くお辞儀をしながらお礼を言った。


……え?


ここで一つ、葵の頭はまた疑問に駆られた。


(『今の言い方だと……会長が先生に抱かれるのを望んだ、って事?』)


あたしの頭の中はパニックに陥ったが、先生の次の言葉で理解した。


「良かった。稲崎さんが彼氏の事を忘れられて。これからは何の気負いもなく会長職が出来るね」


えっ!?


会長って、彼氏いたの……?


今まで葵は、会長から内田先生の愚痴なら聞いたが、彼氏の話なんて微塵も聞かなかったのだ。