キーンコーン……


4時限目終了のチャイムが学校全体に鳴り響く。


すると号令もしないうちに生徒達が一斉に食堂の方へと急ぎ走る。


何故なら、一日10食限定の『幻のカレーパン』をゲットしに行くため。


だから、この学校の昼休みはある意味、壮絶だ。


「葵ーっ!何処行くの?まさか幻のカレーパン買いに行くの?!やめな!死んじゃうよ!」


カレーパンへ向かう人の波に混ざっていたあたしを見つけたらしい咲乃が声を掛けてくる。


小学校の時から一緒で、ご近所さんな咲乃は、あたしのかけがえのない親友。


そういや、高2になって初めてクラスが変わってしまった時は、二人で泣きあったっけ。


「違う違う。あたしまだ死にたくないもん。浜本先生に呼ばれてんのー」


軽い感じで咲乃に返事をすると……