朝、私は緊張しながら校門をくぐった。
「鈴…、大丈夫か?」
「うっ、うん!ほらっ遅刻するから早く行こうっ」
私は心配する透哉を余所に
作り笑いをうかべ先に階段を登りだす。
「鈴ーっ!」
学校に行くと、いきなり
円香に抱きつかれた。
「おはよー!どうした?いきなり、」
「よかったー;;;;晶先輩にやられそうだったって
聞いて、めっちゃ心配したっ」
円香は声を震わせながら
さらに抱き締める強さを強くした。
「大丈夫っ!私が調子のっただけだし、
透哉が助けに来てくれたから…」
言った瞬間にあの時の恐怖がぶり返して鳥肌がたった、
「そっか…、あの時きちんと
引き止めるのが親友だったよね…、
いまさら後悔してる。ホントにごめんね…!」
これも、優しさからなんだよね、
なんか、自分が情けない。
自分の感情で相手がなにを言おうとしてるのか
分からなくなるアホさに泣けてくる。