「ヤバイ、のぼせた…」
葵は湯船から上がり、
脱衣場にいって体の水滴を拭く
コンコンとドアを叩く音がした。
「葵ー?夕ご飯できたよー!」
「ありがとう。今いく」
鈴か…
さっと下着を身につけ部屋着に袖を通す。
私からみて、鈴は羨ましいくらい可愛い。
私なんかより、全然だ。
穢れを知らない純粋で、
凛としていて、何より笑顔がそれを物語っている。
はっきり言って、鈴はモテていない訳ではない。
鈴の明るくてまっすぐな性格は男女問わず人気だ、
だけど帰ってそれが欠点とも言える。
みんな、そのまっすぐさを汚したくないのだ。
だからこそ、"友達"で終わってしまう。