「あっ、葵…?」



「ごめんね、晶先輩のこと、
分かってたのに…」




「なんでだよっ!葵なら引き止めると思ってたのに…!」



透哉が力なく椅子にすわる。
葵は一向に私を抱き締めた
まま、はなしを続ける。





「鈴のうれしそうな顔みたら
そんなこと言えなくて、
ごめんね、ごめんね…」



葵は抱き締めながら謝る。

葵はきっと私が襲われることが予想出来たのだろう、
喜んでいた私に言えなかったのは葵の優しさ…。





「ーったく、気にしないで、葵も透哉も!
もう終わったことだし、
私がモテないのに調子のっただけだから!
はい!もう終わりっ!帰ろう?」



うん、わるいのは全部わたし
何だし、2人が謝るのはおかしいし!


私は着崩れていたワンピースを
整えてたち、2人に微笑んだ。





「「鈴…」」



葵と透哉は呆気にとられ
動きそうにもなかったので、
2人の腕を引っ張り、たたせた。


「ったく、2人ともおいてくよ?」