――――――バンッ
諦めかけたそのとき、
突然部屋のドアが開いた。
「ふざけんなっ!」
この声は…
透哉…?
「透哉っ?!なんでここがっ!」
「いくら晶先輩でも容赦しねぇ。早く鈴から離れろっ!」
困惑の色を隠せない先輩と
怒りに満ちた透哉…。
「くそっ!あの役立たずっ!わかった。離れりゃいんだろ。」
パッと私に馬乗り状態だった先輩は私から離れ、
やっと解放された。
「鈴っ!」
それと同時に透哉が
私を優しく抱き締めた。
「遅くなって悪かった…。怖い思いさせてホントごめん…。」
…どうして透哉が謝るの?
そんな疑問を思いながらも
抱き締められた透哉の温かい腕の中で
私は安心から泣いてしまった。
「早く出てけよっ!晶先輩だろうが今はその面見せんな!」
透哉は低く怒鳴った。
「っチッ、わかった、消えりゃいんだろ。言っとくけど、
鈴ちゃん諦めないからな。」
そう言い捨て、
先輩はカラオケボックスの中からでていった。