「ホントは葵ちゃんに興味があったけど、
鈴ちゃんも可愛いからヤバイよ。
むしろ葵ちゃんよりそそるね。」
もう訳が分からない。
葵とまた比べられたのも悲しい。けどそれだけじゃない。
さっきまでの先輩はもうどこにもいない。
怖さだけが大きくなる。
「いやっ!!助けてっ!」
咄嗟に大声を出して助けを求める。
「鈴ちゃん、どんなに叫んでも無駄だよ?
カラオケボックスだから音漏れしないし、
ましてやここ店の奥だよ?」
そうだ…。だからあの時、
奥の部屋空いてる?って…
最初からこうするつもりで…
「涙まで出しちゃって…、鈴ちゃんどんだけ誘うの…」
…ホントだ、いつの間にか
私は涙をいっぱい溜めて、
溢れ出していた…。