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とうとう日曜日がやってきた。
デートなんか生まれて初めてな私は葵に頼りっぱなしだった。
「鈴、メイクうまくなったね!」
「ホントー!?」
鏡に映る葵はニコッと
笑っている。
今日は初めてのデート
という事もあって
葵から服をかりた。
淡いピンクのパスフリワンピースにいつもサイドテールしている黒髪はゆる巻で鎖骨をくすぐる。
しかも今日はメイクまで!
…完璧っ!フッ
ピンポーン
ちょうど玄関から呼び鈴が
聞こえてきた。
「先輩じゃない?」
「11時だし、そうかも!」
カバンに財布を
入れて部屋からでる。
「鈴っ!今日、…頑張って」
葵が複雑な顔をしながら
言ったのも分からず
「うん!」
私は玄関を出た。