「な、なに?」



問いかけに答えたのは、真ん中の女の子。

私と目が合うと、僅かに頬を赤らめる。



「何、この子! 超可愛いんだけど!」

「男の子の割にちっちゃいのがいいよねっ! めっちゃかっこいいし!」



両隣の子達はひそひそ(というには声が大きいが)何かを話していたけど、気に留めず私は続けた。



「理事長室って、どこか分かります?」

「あ、うん。理事長室はこの棟の一階北側よ」

「そっか。ありがと!」



にかっと笑うと、三人が目をハートにして迫ってきた。

というか、囲まれた。


何だ。この完璧なフォーメーションは!