そんな事を呟きながら曲がり角を曲がった。

その時。



「きゃっ!」
「ぐふっ!」



女の子がぶつかってきた。

突然の事で対応しきれず、背中を強かに打つ。

女の子は困った様子で私の顔を覗き込んできた。



「ごめんなさい。まさか人が居ると思わなくて……」

「あぁ、大丈夫です。気にしないで下さい」



苦笑混じりに相手を見ると、切れ長の目が私を心配そうに見ていた。


不覚にも、一瞬だけどきっとする。


よく見ると少しきつい系の美人さん。

だけど軽くかかったウェーブが、そのきつめの雰囲気をうまく緩和していた。