理事長室へ足早に向かいながら、私は考えていた。


ただ、性別を偽るだけではつまらない。

せっかく、お父さんが整えてくれた舞台なのだから。

どうせならキャラクターを演じて、夢へのステップにすればいいんじゃない?


ばれるリスクは高くなるけど……。

隠れるようにこの課題をクリアしても、意味がないと思うから。



「……うん、方向性は決まった。あとは何キャラにするかだよねー」



プレイボーイキャラはいつ刺されるか分かったもんじゃないからパス。

優しくてモテる……王子様キャラとか?

幸い、顔の出来だけはいいし。