「なら、私達の誰かと付き合わない?」

「ちょっとー、そんな恥ずかしい事聞かないでよー!」

「でも聞きたくない?」

「そうだけどさー」



もう、こうなったらやけくそだ。


軽く息を吸って、妖艶に笑う。

普段よりも低い声で、言う。



「……俺、欲張りですから。三人とも選んじゃいますよ。 そんなの、嫌でしょう?」



なんてプレイボーイ発言だ。

やけくそにも程がある。


自分にそんなツッコミを入れながら、私は踵を返した。



「俺にあなた達は勿体無いですよ。……それでは、失礼します」



プレイボーイ作戦が成功したのか、今度はすんなりと逃げられた。

背後からの黄色い悲鳴をスルーして、私は教えられた場所へと向かった。