「な、なに笑ってるんですか!」


腹立つー!

受話器を切ろうとした時。



「玲衣」


受話器から私の名前が聞こえた。

驚いて、再び受話器を耳にあてる。




「玲衣だろ?」


やっぱり、
私の名前を呼んでいた。


男の人の声だ。


「誰ですかっ」



そう叫ぶと、相手は笑いだした。

なんて馴れ馴れしい。
私を馬鹿にしているのだろうか。