「ドキドキなんかしてたの」

「え・・・?」

「さっき言ったじゃん。俺と電話してドキドキしてたの」



―――――うわ!


そんなことも言っちゃった!?
・・・つい、本音がぁぁ!



台所の方で、お姉ちゃんがクスクスと笑っているのが見えた。
そんなお姉ちゃんを睨みつつ、


「それは、嘘! ・・・じゃ、ないけど、そういう意味じゃなくて!」

と、言い訳をしてみた。



「そういう意味って?」


意地悪な声で、そう訊ねられた。



・・・この人。
Sに育っちゃったみたいだな。