「それじゃあ、行ってきまーす!!」



元気良く赤ずきんが出かけていくのを姿が見えなくなるまで見送っていたお母さんは、後からとっても大切なことを言い忘れていたのを思い出した。



―――しまった。オオカミのことを言うの忘れてたわ。まぁ、あの子なら大丈夫よね。



そうしてお母さんは自分で自分を納得させていた。







一方、赤ずきんの方はスキップをしながら小道を歩いていた。



―――あばあちゃん、また誕生日プレゼントくれるのかな。もう無理しなくていいのに。


とか


―――おじいちゃんがいなくなってからおばあちゃん、なんだかさみしそうだったよなぁ。早く行ってあげなくちゃ。



など、考えることはおばあちゃんを心配する事ばかりだった。


……自分に危険がせまっているとも知らずに。