母親が来たというのに
志季の表情はちっとも
うれしそうではない

それどころか・・・

「入りますよ、志季さん。」

母親の声。

「はっはい。・・・」

緊張しているような
こわばっているような
そんな表情をしている

「あっ!お母様
どちらの着物がいいと思いま

「ねぇ志季さん?」

話しかけた志季の言葉を遮る。