群青のピリオドのレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2011/09/11 20:25
投稿者:
千原 奏実
さん
ゆらり、と揺れた幻
痛い真夏、切ない夜 痛みに帯びた三人が織り成す冷たい物語。 幼い愛はお互いを傷つけるだけなのか。その答えはなく、ただ揺れるようにそれぞれの道を歩く。 もしも三人がこうだったら。もしも三人がああだったら。多分そんなのは山ほどあった。でも三人はそれぞれの欲望とそれぞれの想いに忠実に、だけど純粋に。 思春期ならではの想い。痛みの行き先を彼らは分かりながらも突き進む姿は、かつての自分と重なる。 過去も未来も決して優しくはなく、冷たい水が溶けていくように胸に突き刺さるものが確かにあった。だからこそ溢れる感情とどうしようもない衝動に駆られる。 その先に、 痛みだけではない何かを見つけられれば、この作品の僅かな光に出会えるかもしれない。
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