海耶くんは、綺麗な人だった。 男の子なのに睫毛が長くて、目が大きくて、透けてしまいそうな白い肌で。 栗色の髪の毛はサラサラで、揺れると花の香りがした。 そこら辺の女の子よりも華奢な体躯は、ビスクドールを連想させた。 「乃梨子ちゃんっていうんだ。可愛いね」 可愛い、なんて思ってないくせに。 海耶くんが最初から憎しみの込もった目で私を見てたこと、知ってたよ。