本作品に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

三人の物語は如何でしたでしょうか。

夏、ということで、どこか涼を感じて頂けるような作品にしたつもりです。


海耶、義也、乃梨子。

この物語、誰にとっても『ハッピーエンド』で終わりません。きっと、人は生きている限り自分の望む結末を選ぶことはできないと思います。

死が誰にでも平等に訪れるように、幸福も不幸も与えられる……と私は考えます。そうでなければ、海耶はきっと、今も義也の隣を歩いていたでしょう。

それは海耶にとってのハッピーエンドであり、乃梨子にとってのバッドエンドを意味します。ですから、この物語では全てが平等なのです。



天倉 千尋