「海耶、俺、彼女できたんだ」

「……え?」


海耶が自殺する少し前、初めて出来た彼女の乃梨子を紹介した。

思えばあの時、海耶は笑っていなかった気がする。


「初めまして……乃梨子です。海耶くんの話は、義也くんに聞いてるよ」


「へぇ、乃梨子ちゃんっていうんだ……可愛いね。ヨシくん、良かったね」


喜んでくれているなんて、俺はどんなに浅はかな人間だったのだろう。