「瑠璃姉はね、そこからすごく頑張ったんだ。当時、とても大学に行けるような成績じゃなかったんだけど、浪人して、大学入って、教師を目指したんだよ」




ようやく泣き止んだ私に、皐月が話してくれた。




「先生…やっぱりすごいな。同じ17歳でも私とは大違い」




高校の教師なんて、狭き門だと思う。


教員免許は取れても、採用試験も突破しなくてはならないし。


先生は、大切なものを失っても、決してそこで立ち止まらない人なのだ。


次の可能性に手を伸ばす。


つらくても、苦しくても、少しずつでも、這うように前進してきた先生は、本当の強さを持っているんだ。