お見合い、とは言わない方がいいのだろう。 そう思ったのだが、おばあさんが予想外のことを言ってきた。 「あー!今日は瑠璃ちゃんのお見合いだっけねぇ。忘れてたわ」 ここの人たちは、やっぱり距離感が私の感覚と違う。 他人事っていうことが無いというか… 「瑠璃ちゃんも色々あったから、幸せになってほしいねぇ」 おばあさんは醤油を持った手を腰に回し、もう一方の手で杖をつきながら帰っていった。