「ちょっとーお母ちゃんいるー?」


「あっはいはい!いらっしゃいませ」




お店から常連のおばあさんの声がした。私が急いで戻ると、おばあさんは醤油片手に待っていた。




「あら、なっちゃんだけ?」


「はい、すみません、お待たせして」


「お母ちゃんは?」


「あ、おばさんは先生とおじさんと一緒に出掛けてます」




会計を済ませ、レジ袋を開きながら言った。




「あー、袋はいらんよ。しかし珍しいねぇ、お母ちゃんもお父ちゃんもいないなんて」


「あー…まあ、特別な日ですからね」