皐月の名前が突然出てきて、私はビクリと驚いた。




「じゃあ、行ってくるから」


「い、いってらっしゃい…」




どうしよう。


また皐月と二人きりになってしまう。


しかも、先生のお見合いの日に。


また何か変なことを言ってしまうかもしれない。


私は皐月と星を見た夜のことを思い返していた。


家族の幸せを見届ける、そう言った皐月の強い目と、優しさに満ちた笑顔を。