「先生…全然、わかってないよ」 「え?」 「私はもっと」 いや、違う。 わかってないのは自分自身だ。 自分の弱さを認められなかった自分自身だ。 言い訳なんて、無い。 ただ、素直に笑えばいいだけなのに。 「なんだよ、言いかけてやめるなよ」 「いや…な、何でもないです…」 この時の私は、まだこう応えることしか出来なかった。