「皐月さんは先生のこと好きですか?」 私は空を仰ぎながら唐突に、さっき自分が受けた質問を投げ返した。 「そりゃあ、ガキの頃から世話んなってるしね。良い姉だと思ってるよ」 私が期待した応えではなかった。でも、なぜかホッとしている。 確かめるように、また聞いた。 「彼女にしたいとは思いませんか?」 イエス、ノー、多分私はどちらも望んでいない。 でも、確かめたかった。皐月の心を、知りたかった。