「あの人、猪突猛進タイプだから周りは結構振り回されるんだよね」




確かに、と私は教室での先生を思い浮かべ、クスッと笑いが込み上げた。




「でも、それでいて、ちゃんと周りを見てくれてますよ。嫌っている生徒は居ないんじゃないかな。良い先生って言えるのかはわかりませんけど」




思わず私は偉そうなことを言ってしまっていた。さっきまで、ハイとかウンとかしか言わなかったのに。


皐月がキョトンと私を見つめた。


そして、まさに顔を綻ばせて、といった感じに笑った。




「なっちゃん、ほんとに高校生?すごいよ」




何だかとても恥ずかしい。まるで私は、大人びた言葉を使いたい盛りのこどものようじゃないか。