「あ、エアコンつけていいよ」 「い、いえ、風が気持ち良いので」 車の窓を全開にして、草や土の香りがする風を、私たちは全身に浴びていた。 「なっちゃんは瑠璃姉のこと、好き?」 皐月の質問に、今日の先生とのやりとりが脳裏に甦る。先生の目が… 「好き…だと思いますけど」 「あっ、なにそれ〜!ほんとはウザイとか思ってるんでしょ」 「そ、そんなこと!」 皐月はニンマリ笑って私の反応を楽しんでいる。