「乗って乗って」


「え、は、はい…」




こういう場合、さりげなく断るのが正解なのだろうか。


警戒心が無さすぎる、と言われるかもしれない。


かと言って、皐月を警戒する必要なんてないのだけれど…




「どう?こっちには馴れた?」


「あ、はい」


「あの家、にぎやかだよね」


「あ、はい…」




私はバリエーションのない返事をくりかえした。


やっぱり、ノコノコついてくるんじゃなかった。


皐月だって疲れているだろうし…