「あ、あの…昨日は、送って頂いて、ありがとうございました…」 「そんなかしこまらなくていいよ、なっちゃん」 なっちゃん。 自然過ぎるくらいに、私をそう呼んだ。 私に向けられた笑顔が、なんだかまぶしい。 うまく、見られない。 「なっちゃん、瑠璃姉、学校でどう?問題起こしてない?」 皐月が胸元のネクタイを緩めながら、少し赤くなった顔で聞いた。