「だって皮がさぁ…剥いてくれたら食べないこともないよ」 先生の言葉に、私はドキリとした。 「お母さんも…そうでした」 私のお母さんも、トマトが苦手だったのだ。 特に皮の食感が嫌だと言っていたから。 「…そっか!気が合うなあ」 石井ちゃん先生はこどもっぽくニカッと笑った。 私も、なぜか嬉しくなって、でもうまく笑顔が作れなかった。