「あら!石井さんち、こんな大きなお孫さんいたっけ」
「可愛いねぇ〜!うちに嫁に来てくれや」
「アイス食べる?今買ったの一本あげるよ」
私は大した返事も出来ず、ただただ苦笑いだ。
何の警戒心も無しに私に話しかけてくるこの人達は、いきなり現れた私を、一体どんな風に見ているのだろう。
「いやー、大したもんだね!瑠璃より手際が良いわ」
「ありがとうございます…」
石井ちゃん先生のお母さんが感心したように私に言った。
「立派な看板娘になるわね」
「でも、私、愛想ないですし」
これは本当のことだ。どのバイト先でも、一回は店長に注意される。
誉められて、ちょっと照れ臭いのもあったけど。