(俊樹が追いかけてきてくれたりしないかな――?) なんて、期待している自分に気づいて、少しイヤになった。 今あいつは好きな人でもなんでもないんだから! 復讐の対象なんだから!! そうやって、自分に言い聞かせる。 (それでもやっぱり、追いかけてきてほしいよ……) 「バカ…」 小さく呟いて、また膝を抱え込む。 「キミ、大丈夫?」 その瞬間、声をかけられた。