顔を上げた時、目の前にいたのは、育ちの良さそうな端正な顔立ちをした男子生徒だった。
思わず見とれてしまう。
だけど、どこかで見たことがあるような……?
(はっ、今のもしかして見られてたとか……(汗)
だったら、すごく恥ずかしい。
「え、っと……大丈夫なんで、気にしないで!」
慌てて取り繕う。
「侑南?」
彼が、ぽつりと呟いた言葉に、「えっ」と声が漏れる。
「やっぱり侑南だ。僕のこと覚えてる?」
ふわりと、彼が嬉しそうに笑って、私の瞳を覗き込んでくる。
(あれ、瞳が深い青だ……)
その綺麗な瞳に見覚えがあって、はっとする。