「べつに。たまたま通りかかっただけだ」
「……そうか。ならええけど」
「お前」
「……今度はなんや」
「兄ちゃんの仇取るって言ったよな」
「……ああ、言うたけど。それがなんや」
「まさかお前、兄ちゃんのコト殺した相手を殺そうとか思ってないよな??」
「……だったらなんや」
「やめとけよ。いくらそいつが憎くても、そいつを殺すのはよくねぇ」
「……アンタにあたしのなにがわかるんや。そいつのコトどうしようとあたしの勝手やろ」
「そんなコトしたら、傷つくのはお前だぞ??」
「……兄ちゃんの仇取るまでは、いくら傷ついたって構わん」
