「……桐沢、頼む。もうやめてくれ」
「アンタは邪魔せんといて!!これはあたし自身との闘いなんや。……アンタが首を突っ込むようなコトやない」
「……でもお前」
「ええから!!わかったんやったらくるみを連れてとっととここから逃げるんや!!……ここはアンタが出る幕やない」
桐沢はそう言い残すと、拳をギュッと握りしめた。
……オレはただ黙って桐沢の後ろ姿を見ているコトしかできなかった。
「……なにしとる。くるみを連れてはようここから出て行きや。じゃないとアンタ、ほんまに大ケガするで」
「……わかった。くるみを連れてここから出て行くよ」
「はようせえや」