オレはそう言ってアイツをギュッと抱きしめた。
「……なんや。いてほしいんか」
「ああ、どこにも行くな。オレのそばから離れるなよ、絶対に」
「……そんなに好きなんか、あたしのコト」
「好きだから言ってるんだ。好きじゃなきゃ絶対にこんなコト言わねぇよ」
「……それもそうやな」
「頼む。京都には帰らないでほしい。……ずっとそばにいてほしいんだ」
「……まぁ考えとくわ」
「いい返事期待してる」
「……期待はせんほうがええよ。あたしは気まぐれだからすぐに気持ちが変わるからなぁ」
「わかった。じゃあ期待しないで待ってるよ」
「……わかった」