「最初はすげぇムカつくヤツだと思った。上から目線だしおせっかいだし冷めてるし。……でもお前の涙を見た時やお前の弱さを知った時、オレはお前を助けてやりてぇって思った」
「……正直言うと、あたしは助けなんていらんと思うとった」
「え??」
「……せやけど違った。あたしはヤンキーで口は悪いし、ケンカだってしてた。でもそのうち自分がなんのためにケンカしてるんだろうとか、なんのために生きてるんだろうとか。……そんなコトばかり考えとった」
「そりゃあ生きてれば色んなコトがあるさ」
「……兄ちゃんに復讐するためだけにずっと生きてきたけど、ほんとはそれだけやなかったのかもしれんな」