「あっ……そうか」
「……アイツは毎年、兄ちゃんの命日にお墓にきてくれるんや」
「え??」
「……それがアイツなりの罪滅ぼしなんやと思うけど、アイツは反省しとるんや。あんなコトした自分がバカバカしいってコト、ようやくわかったんやろな」
「…………」
「せやからあたしは、アイツを憎むのはやめたんや。……アイツを憎んでも仕方ないしなぁ」
「……そうか」
「アイツほんとは、ええヤツなんよ。……京都に住んでる時、アイツ一回あたしの住んでた施設にきたコトがあったんや」
「……施設に??」
「ああ。……兄ちゃんの命日の日、墓の場所を教えてほしいって言いにきたんや」