「……たしかに悔しいで。でもあたしがあそこにいたのが間違いだったんや。……だからええんや」
「…………」
「……悪かったな。あたし帰るわ」
「え??あっ……ああ。気をつけてな」
「……アンタもな。ほなまた会おうや。行くで森橋」
「え??あっああ」
渋々関西弁女の後を着いていく。
関西弁女と並んで歩くと、アイツの横顔がよく見える。
「アイツ、誰なんだ??」
「……兄ちゃんを殺したひとりや」
「え??」
「……でもアイツは、唯一兄ちゃんを助けようとしてくれたヤツやった」
「え??」
「……せやから憎んでるとかそんなんやないで」
