アイツ、今度はコクられてるよ。

しかも表情ひとつも変えねぇし。



「でもこれから徐々に知っていけばいいんじゃない??」

バンッ!!



「っ!?」

「……甘ったれたコト言うんやないで。そんな言葉聞きたないわ!!」



関西弁女は壁に押し付けた拳にギュッと力を入れた。

……怖ぇ、なんだあの女。



「ひっ……ご、ごめんなさい!!」

「2度とあたしの前に現れるんやないで!!顔も見たないわ」



男はビビったのか、真っ青な顔をしてどこかに消えた。

でもあの関西弁女の表情は怒りがこめられたように眉間にシワが寄っていた。