「……さぁな。アイツはどんな気持ちだったんだろうな」

「……兄ちゃんが死んだ時、あたしは頭の中が真っ白になったんや。どうしたらええのかわからなくて、その場から動けへんかった」

「妃菜……そうだったな。お前はあの時、ずっと泣き崩れてたな。兄ちゃん兄ちゃんって言いながら」

「……そうやったな」

「あの時オレ、お前のそばにいてやれなくてごめんな。……アイツのコトで手一杯だったんだ」

「……ええんや。あの時は仕方なかったんやから」

「……なぁ妃菜。オレさ、お前が施設から出た時」

「え??」

「……お前は絶対、アイツの仇を取りに行くんだって」

「…………」