「妃菜ちゃんだってほんとはわかってるんだよ。そのひとを恨み続けたってなににもならないコト」
「…………」
「でもお兄さんが目の前で死んでいくのを見て、妃菜ちゃんはなにもできなかった。もしあの時病院に運んでいれば、お兄さんはきっと死んでなかった。……そうやってずっと自分を責めてるんだよ、妃菜ちゃん」
「……アイツは苦しかったんだな、ずっと」
「そうだよ。森橋くんは、なんで妃菜ちゃんがこっちに転校してきたかわかる??」
「……さぁな。そいつに仇取るためじゃねぇの」
「それだけじゃないよ。……自分を変えるためだよ」
「え??」
「妃菜ちゃんは自分を変えるためにここにきた」