「誰かに頼って生きてくのがあんなに怖いモノだったなんて、兄ちゃんが死ぬまでずっと知らなかったって言ってた。……アイツはきっと、オレ達が思ってるほど強くねぇ」

「……うん。そうかもしれないね」

「くるみには迷惑かけたくねぇんだろ。だから心配かけねぇように必死で自分を隠してるんだろうな、アイツ」

「……隠してる、のかな」

「少なくともオレには、そう見える」

「…………」

「アイツのコトは、お前がちゃんと見ててやれよ」

「……うん。わかった」

「じゃあオレ、そろそろ出かけるから切るな」

「うん……また明日ね」

「ああ」



おもむろに電話が切れた。