「……たぶんね。お兄さんが優しかったからきっとそういう風な生き方をしたいんだと思うよ」
「兄ちゃんのためならどんなコトでもするって言ってたぞ、アイツ」
「……それも強がりだよ。心の中を探られたくなくてそう言ってるだけだと思うよ」
「心の中……か」
「……妃菜ちゃんが自分の人生なにも考えずに生きるひとじゃないってコト、あたしは知ってるから。妃菜ちゃんの弱さを受け止められないなら、あたしら幼なじみ失格だよ」
「……オレにはアイツがなにを考えてるのかわかんなかった。でもアイツは、今必死に答えを探してんだよな。……自分の人生を見つめ直すために」
「うん……そうだね」
